「検討します」という言葉の裏に隠された真実
渾身のプレゼンテーション後、お客様から「素晴らしいご提案ですね。一度社内に持ち帰り、検討しますので、お待ちください」と言われた経験はありませんか?この丁寧な言葉の裏には、分厚く冷たいシャッターが下りる音が隠されています。
この瞬間から商談の主導権は完全に相手の手に渡り、「待つ」という最も歯がゆい時間を過ごすことになります。なぜお客様がその言葉を述べるのか、その根本的な構造を理解することが重要です。
持ち帰り検討の連続で見込み客が去っていく現実
01
商談終了
「前向きに検討させていただきます」という穏やかな笑みと共に商談が終了します。
02
フォロー予定
カレンダーに「〇月〇日、A社様フォロー」と書き込み、約束の日を待ちます。
03
連絡困難
電話は留守電、メールへの返信も来ない状況が続きます。
04
機会損失
1ヶ月後、あの商談は何だったのかと自問する結果になります。
この「持ち帰り検討」という名の事実上の塩漬け状態こそが、営業において最も静かに、しかし確実に売上機会を奪っていく恐ろしい罠なのです。
「検討します」が生まれるシンプルな理由と3つの戦略
お客様の頭の中では無意識のうちに「天秤」が動いています。左側は「営業担当者との継続的なやり取り」、右側は「自分で考える、社内相談」です。「検討します」は天秤が右側に傾いた瞬間、つまり「出尽くした感」を抱かれた証拠です。
戦略①:すべてを語らない勇気
情報の出し入れの主導権を営業側が握り、「まだ奥に重要な情報がありそう」と感じさせるミステリアスさを演出します。
戦略②:成功のプロへ進化
商品のプロから「お客様の成功パターンと失敗パターンの違い」を語れる専門家になることです。
戦略③:議論でパートナーに
説得ではなく「どうすれば課題が根本的に解決されるか」というテーマでお客様と深い議論を行います。
まずは「なぜ?」と問いかける勇気を持とう
大切なのは知識として知ることではなく、実際の現場で試してみることです。まずは次回の商談で、お客様ともっと「議論」する時間を作ることから始めましょう。
なぜ、この問題が起こっているのでしょうか?
課題の本質に迫る問いを投げかけることで、お客様の当事者意識を高めます。
これまで、どんな手を打ってこられたのですか?
過去の取り組みを聞くことで、真の課題を浮き彫りにします。
その中で、何が一番の障壁になりましたか?
具体的な障害を特定し、解決策への道筋を見つけます。
この数分の「議論」が、お客様のあなたに対する見方を変え、一方通行だったコミュニケーションを劇的に好転させる大きなきっかけになります。今すぐ実践してみてください!